1,ジャパンライフの説明会の内容
ジャパンライフは,現在,各地で説明会を開いています。
説明会では,多数の消費者に巨額の損害を発生させて本来であれば直接謝罪をすべきはずの山口隆祥会長は全く姿を見せていません(契約を勧誘するためには,頻繁に各店舗をまわっていたにも関わらず)。ただ,お詫びの文章が読み上げられるだけです。
そして,「12月も支払いができるはずだったが,消費者庁の的外れな行政処分で12月の入金がなくなったため,資金繰りに窮しこのような事態となった」「新会社で従来より大幅に値下げした商品を販売し,その売り上げの半分を返金に充てる。必ず返金する」「破産したら1円も戻らない」などとの説明がされています。さらには,集まった被害者に「協力して欲しい」などとの呼びかけがされています。
2,ジャパンライフの説明のまやかし
しかし,消費者庁の行政処分は顧客への調査や聞き取りを経て行われた根拠あるものです。また,12月分の入金がなくなったからといってとたんに破綻するようであれば,元々顧客からの新規の契約金をあてにしなければ既存の顧客への支払いができない破綻必至の自転車操業状態であったということです。ジャパンライフは昨年9月時点では338億円もの大幅な債務超過状態であることが判明しており,その点だけを見ても元々破綻必至の状態であったといえます。
更に,ジャパンライフは昨年12月の破綻以来,従業員の給与支払いも滞り,従業員の多くが退職しており,物理的にも経済的にも本当に商品を生産できる能力があるとは考え難く,本気で商品販売をするつもりがあるとはとうてい思えないような状況です。
これまでも,ジャパンライフは債務超過など不利益なことは顧客に告げず,「銀行は危ない」「預貯金よりジャパンライフに預けた方が金利が良い」等といいことばかりを言って顧客に契約させてきました。その結果が,このように1800億円もの巨額の消費者被害になっているのです。
3,法的な破産手続を取ることが,むしろ被害が大きくなるのを防ぐ手段となる
ジャパンライフは巨額の債務超過状態にあるにもかかわらず,法的にきちんと破産の手続をとらず,「物品を販売し必ず返金する」などとまやかしのような説明を続けています。
しかし,このままジャパンライフの財産を同社の管理下に置いておいては,ジャパンライフが昨年末に本社ビルを売却したように,財産が散逸したりして,被害が拡大する可能性が高いです。しかし,個々人で海外資産も含むジャパンライフのすべての資産を調査し,差し押さえたり,財産の流れを明らかにするのは不可能です。弁護団としては,現段階では,ジャパンライフの管理下に置いておくべきでなく,法的に破産の手続を取り,裁判所の選任する管財人の管理下に海外資産を含むジャパンライフのすべての財産を管理し,資金の流れなど全部調査してもらって確保したほうが,少しでも多い被害の回復が期待できると考えています。そのため,全国の被害者の方をはじめ,皆様の力を合わせて,ジャパンライフについては破産申し立てを目指していく予定です。
「破綻したら1円も戻らない」などと説明するのはジャパンライフの会長や,社長がジャパンライフのすべての財産や,これまでの資金の流れなどを調査されたくないために,破産申し立てされるのを回避するために言っているように思います。
4,これ以上の被害の拡大を避けるために
ジャパンライフは,説明会に集まった被害者に対して,「協力して欲しい」などと呼びかけ,立ち上げるという新会社での活動の申込書などを配布しています。
しかし,これは二次被害につながるおそれもあります。
ぜひ,これまでいかにジャパンライフが都合のいいことしか説明してこなかったか,その説明を信じた結果どうなったかを振り返ってみて,今の状況を冷静に把握し,ジャパンライフの信頼できない説明に惑わされて更に被害を大きくしないよう,ご注意いただきたいと思います。
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